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コンサルティング・トピックス「電子カルテ補助金、医療情報化支援基金」

  • 業種 病院・診療所・歯科
  • 種別 レポート

医療情報を経営分析に活かす大きなチャンス

  • 平成31年度(令和元年度)予算で、「医療情報化支援基金」が新設された。
  • 医療情報を経営分析に活かす意味でも、活用すべき大きなチャンスになるだろう。

電子カルテの普及率が低い中小規模病院が主な対象に

ご存知でしょうか?

平成31年度(令和元年度)予算で、「医療情報化支援基金」が新設されました。

これは、マイナンバーカードや保険証を使って被保険者資格のオンライン確認を推進するために、「標準化された電子カルテ」を普及させる目的で新設された補助金です。

オンライン資格確認による社会保険診療報酬支払基金の業務効率化の一環として推進されているため、レセプトオンライン化施設整備事業の実績があるということもあり、支給の窓口は社会保険診療報酬支払基金となっています。

令和元年度の予算は300億円。

まだ「標準化された電子カルテ」の要件が明確になっていないので、支給要件は明示されていませんが、電子カルテの普及率が低い中小規模病院が主な対象になると思われます。

200床未満の病院で、単純計算で1病院あたり26,866千円

厚生労働省の「医療分野の情報化の推進について」によると、平成29年の病院での電子カルテ普及率は46.7%。

病床規模別での普及率内訳は、400床以上は85.7%、200床~399床は64.9%、そして200床未満は37.0%となっています。

やはり200床未満の中小規模病院が電子カルテ普及のボトルネックになっていることが分かります。

今回の「医療情報化支援基金」は、平成31年度(令和元年度)予算だけでなく、既に令和2年度の予算請求にも300億円が計上されており、令和3年度までの3ヵ年計900億円の事業になると言われています。

同じく「医療分野の情報化の推進について」によると、200床未満の電子カルテ未導入先が3,350病院となっています。

単純計算で1病院あたり26,866千円となります。

中小規模病院の電子カルテ単体の初期費用と考えれば、1/4~1/2ぐらいの補助になるので、経営的には有難いです。

さらに、令和2年度の診療報酬改定率の議論の中で、日本医師会と厚生労働省の折衝により医療情報化支援基金が768億円へ積み増しという話も出てきています。

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医療情報を経営分析に活かす意味でも、活用すべき大きなチャンス

オンライン資格認証の推進だけでなく、データ提出加算の要件化拡大やそれに伴う提出データの精度を高めたり、医療情報を経営分析に活かしたりする意味でも、今回の「医療情報化支援基金」は活用すべき機会(チャンス)です。

私たちは、日本初の医療情報システムの常設総合展示場「メディプラザ」(東京・大阪・福岡)をかつて運営するなど、電子カルテ等の医療情報化支援コンサルティングにおいては草分け的な取り組みをしてきた実績があります。

初めて電子カルテ等を導入する場合、経験がない中で、電子カルテと薬剤部門システムや検査部門システム、看護支援システムなど各種部門システムを接続するため院内の意見調整をしたり、そのためにIT戦略のグランドデザインを描いたりする必要が出てきます。

この機会に、制度の詳細や電子カルテ導入の進め方について、私たちの知見がお役に立つことができたら幸いです。

(対応地域:西日本エリア)

レポートの執筆者

太田昇蔵(おおた しょうぞう)
株式会社 日本経営 コンサルタント

民間急性期病院の医事課を経て2007年、日本経営グループに入社。医療情報システム導入支援、医療関連企業のマーケティング支援を経て、グロービス経営大学院MBAコースを修了。現在は、病院経営コンサルタントとして医師人事制度構築支援・経営計画策定支援、役職者研修などに携わる一方、後進の育成を担う。

本稿は掲載時点の情報に基づき、一般的なコメントを述べたものです。実際の経営の判断は個別具体的に検討する必要がありますので、専門家にご相談の上ご判断ください。本稿をもとに意思決定され、直接又は間接に損害を蒙られたとしても、一切の責任は負いかねます。

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